ホルムアルデヒドの問題

Aさん
以前、ホルムアルデヒドの測定を依頼された方の家で、風通しが悪いのに、ホルムアルデヒドの数値が非常に少ないことがありました。間取りは中廊下型で、換気のいい家とはいえないのです。
たまたま階段が廊下の真ん中からきれいに上に抜けていた。その抜けたところがトイレや小さい踊り場になっているので、下からの空気がすうつと上がっていって、そこから抜けていくんですね。
Bさんのいわれる、開口の対角線が上下に取れているということなんでしょうね。設計した人は恐らく気がついていなくて、自然にそうなったんだと思いますが。

Bさん
偶然かもしれません。

Aさん
階段が廊下の中央についているからよかった。端だったらだめだと思うんですよ。

Bさん
そうですね。同じようなことは、断熱と気密についてもいえます。地域性もありますが、一般的に断熱は高いほうがいいと思います。
一方、気密も高いほど、理論的にはいいわけです。ところが換気という視点から見ると、魔法びんのような家がいい家か悪い家か、窒息するからいいわけがない。でも、気密性が高くないと熱が逃げていきますから寒くなるので、高くしたい。ですから基本は気密性も高くすべきだということになります。
そこで気密を破って、自然に換気できる仕組みをつけ加える。機械による二四時間管理ではなくて、温度差で開口面積が変わる器具をつけて換気する。そうすれば高気密の家もよくなるんです。高気密にすると、小さなエネルギーで家全体を暖めることができるようになります。換気は各部屋に直径一六センチの換気口が一個あれば、普通の人間が生活していくのに必要な自然換気麓は取れるという結果が出ています。目安としては、そんな穴が一部屋に一個ずつあれば、気密が高くても大丈夫だということです。また廊下をつくったら、行き止まりがあってはならないんです。そこには空気のよどみができてしまい、カビやダニの温床にもなりますし、ホルムアルデヒドの問題も出てきます。ですから行き止まりのない家、回遊できる家がいいわけです。
そういう家は、よどみがないですから、空気は家中を回ります。昔は、吹き抜けは冬寒いので作りませんでした。その対策には床暖房がいちばんいいのですが、ランニングコストが高いことがネックでした。
では吹き抜けがあっても暖かい家にするにはどうするかというと、気密性を高くして、換気をしつつ少ないエネルギーで暖房ができればいいわけです。しかし気密性を良くするだけでは不十分なのです。暖かい空気を一階から二階へ、冷たい空気を二階から一階へと混合しながら循環すれば、家全体が均質な温度環境となると同時に、空気がすみずみまで換気できることにもなるのです。結果として暖房機一台で全室暖房が可能になります。

Aさん
家中の温度差がないということは、大切なんですね。昔から、心臓の発作を起こしたり、脳溢血を起こす場所は、トイレと浴室が一番多いんです。気をつけなくてはいけないのが、夜中に起きてトイレに行くときです。特に年をとると血圧が急激に変動するのがいけないので、お年寄りのいる家では、トイレと居室、特に寝室との温度差が少ないようにしてほしいんですね。家中均等な冷暖房は取れないという場合はどうすればいいでしょう。
例えば、寝室の冷一房をかけると、すぐ風邪をひくという人がいます。その場合は隣の部屋に冷一房を入れて、ドアを開けておけば快適な室温が得られます。暖房も同じことがいえます。寝ている部屋に暖房をかけていると、喉が乾くでしょう。あれを避けるためには、隣の部屋でかければいいんです。家中が均等な室温というのは、これからの高齢社会には必須条件になってくるでしょうね。それが得られなかったら、せめて床置きの暖一房を入れて工夫する。

Bさん
ところがファンヒーターはほこりをまくだけですから、アレルギーにとっては最悪の暖房機なんですね。Aさんファンヒーターをやめるだけで、アレルギー症状だけではなく、風邪をひく率がうんと減るんです。